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俺の家

†常闇のトビラ†

フン……このように狭苦しい場所が、我が第二宮とは、な。

え、あ。あ、あー……。
ええと。どうも……。
今の聞いてました?
ヒェッ……。

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●3-1
 ――明るい。寝ていたのか。

 昨晩は、ひどく酔っていた気がする。
 身じろぎすれば、二日酔いの金槌が頭をガンガンに殴りつけてきた。
(寝てたよな。なんで空が見えるんだよ)
 どうにか身を起こした普久原が、そこを『無辜なる混沌』という世界の『空中神殿』だと認識したのは、実に数時間後の事であった。

 考えても見て欲しい。太陽にかざした手のひらが、指が――白く細いのだ。
 胸に何か乗っているのだ。重い物が、ふたつ。
 それが自分自身の胸であることを知った衝撃は、とてつもないものだった。
 服装だってそうだ。脚や胸元をさらけ出した、あられもないファンタジーの美少女そのものではないか。
 第一に、自由自在に動かせる翼なんて、この世にあるものかよ。
 そして最大のショックは、自身の容姿が小僧の頃に創作したキャラクター『ティファレティア』そのもの――もっと云えば『それを極限に美化した』姿であるという点であった。
 小僧の頃の絵になんて、似ても似つかないほどに。

 それから普久原も例に漏れず、空中神殿で通り一遍の説明を受けた。
 感想は(へえ……転生のトリガーはトラックじゃないんだな)といったものであったが、さておき。
 ここに召喚された者は、おおよそ『ローレット』か『探求都市国家アデプト』なる場所へ向かうらしい。
 普久原は――アデプトを選んだ。
 そもそも、この世界の救済などというお題目を、にわかに信じることが出来なかったのもある。
 ただ最大の理由は、ひどく疲れていたことだ。
 奇しくも真新しく生まれ変わった身体はともかく、心がひどく疲れていた。
 この世界での出来事が、夢でないことを信じることが出来たことすら、数日後の事だったのだ。

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