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俺の家

†常闇のトビラ†

フン……このように狭苦しい場所が、我が第二宮とは、な。

え、あ。あ、あー……。
ええと。どうも……。
今の聞いてました?
ヒェッ……。

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●2-2
 初めはキャラクターに自己投影をしていた。
 つまりは『そんな無敵の女の子になりたかった』訳だ。
 普久原自身は心身共に男性である。
 だがなぜだか子供の頃から、ファンタジーの世界でミドルティーンの女の子になりたかった。
 美少女で、便利な魔法が沢山使えるという設定が良かった。
 さしたる理由はない。かなり消極的なものだ。
 生きていく上で、色々と『困りたくなかった』のだ。
 年々、妄想は膨らんでいった。
 歳なんかとりたくないから、だったら永遠の美少女にしてやろう。
 生きていれば、色々厄介なこともあるだろう。ならば無駄に強ければいい。
 どうせなら、とことんだ。闇属性か光属性で、神や魔王じみた強さがいいじゃないか。
 だって妄想なら、なんだっていいだろう。
 どんなに都合が良くてもかまいやしないだから。
 寝る前には、いつだってそんな妄想を膨らませていた。

(いつから、自己投影しなくなったんだっけな……)

 行きすぎた空想は、ついに自分自身の精神性から完全に乖離した。
 普久原の中では、キャラクターは勝手に生きており、自身とは完全に隔絶した人格を有していた。
 物語はいつだって都合良く回り、主人公は過酷な紆余曲折を、なんだかんだで突破するのだ。
 都合の良い世界で、無敵の能力で、苦労しながらも、なんでもかんでもどうにか出来る。
 主人公というやつならば――!
 けれど人生というやつは、そうとは限らない。
 ならば物語はどうだろうと考えた。
 より現実的であるべきなのかと悩んだ。
 バッドエンドだっていくつも考えた。
 いつしか普久原は、完全無欠の美少女ティファレティア・セフィルの事などすっかり忘れていた。
 既にそこには無数の物語と主人公が居た。

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