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銀嶺館

【図書室】天義について

銀嶺館のどこかにある図書室。

貴方が見聞きした『天義』についての情報を教えてください。
時にはTOP画面で伝えられる幕間劇や、参加した依頼、気になった依頼の他、自分が感じた事や思った事などを語り合ったりして、天義の謎に迫って行きましょう。

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<不正義の騎士>
「リンツァトルテ殿、此方の警備は万全です」
「ああ……ご苦労様」
 この所、辺り一帯は『騒がしい』。
 恒例の夜の見回りをするリンツァトルテ・コンフィズリーに敬礼をしてみせた兵士の顔にも不安と疲れが見て取れた。
「しかし、一体これはどういう訳なんですかね」
「さて、ね。実際の所、真相はまるで見えないが――どうやら噂話で済むレベルの事態じゃないらしい」
 休憩がてら足を止め、そう応じたリンツァトルテに兵士は「やっぱり」という顔をした。
 初めは取るに足らない噂に過ぎなかった筈だ。
 しかして、まさに今フォン・ルーベルグを騒がせる事態の正体を中央が知らない筈が無い。
 よりにもよってこの聖都で、よりにもよって死者が黄泉帰る等と。
 冗句にも何もなりはしない――最悪の中の最悪は、しかし最悪であるからこそ誰もを嘲笑うかのようにそこにあった。
 恐らく――恐らくは、である。黄泉帰りを仮に一側面を捉えた類似の事実と認ずるならば――聖都においてはこういった冠言葉は処世術上、意見表明に必要不可欠である――何らかのからくりが存在するのは明白だ。
 死んだ生物は蘇らないし、何より。この聖都を中心に短期間で爆発的に広がった『事例』は余りにも特別性を欠いていた。
 惜しまれなくなった聖人のみならず、ペットや、幼い子供、年老いた両親、果ては酷い悪党まで――現実の指し示す圧倒的なまでの異常、異様に対してその選別は出鱈目であり、統一感というものが欠けていた。その癖、噂でもちきりになっているのは聖教国の中心をなすフォン・ルーベルグ一帯に限られているのだから、そこにある恣意性に気付かぬ人間等無い。
「此方も全力を尽くして事態の収拾は図っているのだが」
「ええ。それにあのローレットも手を貸してくれているようで」
「……ローレットか。うん、彼等ならば適任だろうからね」
 部下のイル・フロッタが上気した顔で彼等の話をしていた事を思い出し、リンツァトルテは頷いた。
 何故彼女の顔が上気しているか、単にイレギュラーズを気に入っているから、と思っている辺り彼は彼と言えるのだが。
「民心を惑わすのが幻術か、悪意の工作かは分からないが――俺達も一層努めなければならないな」
 しかし、普段は自身の後ろをついて離れないイルもここ暫くは少し様子がおかしかったのは事実である。

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