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銀嶺館

【図書室】天義について

銀嶺館のどこかにある図書室。

貴方が見聞きした『天義』についての情報を教えてください。
時にはTOP画面で伝えられる幕間劇や、参加した依頼、気になった依頼の他、自分が感じた事や思った事などを語り合ったりして、天義の謎に迫って行きましょう。

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 従順であり、素朴であり、禁欲的であり、良く出来た人形のようである。それ自体は話が簡単で良い場合もあるのだが、彼女に言わせればそれは全くもって余りにも人間らしさという部分に欠けるではないか――
『不正義』で断罪された何処ぞのオジ様の方が余程気骨も魅力も感じるというものだ。興奮する。
 どうにかして酷く持て余す時間を潤いのあるものに変えなければいけない。
 彼女は強くそう考え、柳眉を寄せて思案の表情を作り出す。

 ――質で駄目なら数かしら。
   やっぱりハレムがいいかしら。羽を毟って閉じ込めて。泣いて喚いて許しを請うて――

「とても素敵な考え方ですわね」
 そんな時、掛けられた一つの声が彼女を現実に引き戻した。
「――あら、こんな時間に何方かしら。懺悔にでも参られたのでしょうか」
 声の主に『聖女の顔』を向けたアネモネは通り一遍――そんな言葉を口にしたが、『拘束の聖女』たる彼女は警戒を全開にその魔力を全身に纏わせていた。夜の時間は彼女の時間。十重二十重に貼られた人避けの手段は只の客をこの場まで通す程甘くはない。
「生憎と懺悔の予定はございませんけれど、多少は興味を惹かれるご提案位は出来ましてよ」
 目を細めたアネモネは『自分の頭の中を覗いたような事を言う』黒衣の女に美しい聖女の顔を歪ませた。その変化は一瞬のものではあったが、彼女の傲慢さ――非常なプライドの高さと頭と勘の良さの両方を証明していると言える。
「この国は、何処か病的でしょう?」
「……」
「病的な程に白く、白く。人間に必要な――そう、重要なパーツ(よくぼう)が欠け落ちているかのよう。
 望む事は愚かかしら。求める事は罪かしら? 純白の中の異物は悪ですかしら?
 貴女のような『人間らしい方』はそれがつまらない。貴女は聖女だからここに『拘束』されていて、何処までも退屈と。
 当然の事ですわ。大人は人形遊びだけでは飽きてしまうものですから」
「……何の事だか、さっぱり。特に御用が無いようでしたらば、お話は明朝にでも」
 躱すアネモネに女はクスクスと笑う。黒いベールの向こうの美貌は仄暗く、二人は(少なくとも見た目は)全く対照的だった。

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