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銀嶺館

【図書室】盗賊団・砂蠍について

銀嶺館のどこかにある図書室。

貴方が見聞きした『盗賊団・砂蠍』についての情報を教えてください。
時にはTOP画面で伝えられる幕間劇や、参加した依頼、気になった依頼の他、自分が感じた事や思った事などを語り合ったりして、盗賊団・砂蠍の野望を阻止しましょう。

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 無論、相手は戦争状態の続く敵国だが――幻想は貴族の国家である。彼等が鉄帝国とは違う形でだが、比較的名誉ある戦い――或いは歪んだ騎士道を重んじる事もあり、これまでにこんな搦め手を受けたという事例は無い。或いは幾ら敵国の国力を削ぐ為とはいえ、彼等の一抹の良心がそうさせるのか、最悪の事態を生じれば大量の非戦闘員にまで餓死者を出しかねない『悪辣』には流石に躊躇があったのかも知れないが……
 本当に追い込まれ、化けの皮が剥がれれば何をしでかしてもおかしくない連中ではあるが、それにも少し尚早であろうと考えられた。故に副官はザーバが何故確信を持ったかのようにそう言ったかが知れなかった。
「お察しの通り、現場にはレガド・イルシオンの関与が疑われる証拠が残されておりました。
 一部装備や道具――それらしき品物等、かなり硬い物証がある為、帝都側も尚更怒り心頭なのです」
「……で、あろうな」
 嘆息したザーバは口元を歪めて苦笑いの表情を作っていた。
 幻想広域に放った間者は何れも貴族や有力者から市井に到るまで彼等の混乱を伝えてきていた。
 例の新生砂蠍とやらは彼等を真剣に焦らせるものであり、少なくとも今回の幻想北部侵攻への好機が『幻想という国自体が仕組んだ何らかの罠』である可能性はほぼ消えていると言える。
 だが、同時に――その事実は事件の糸を引く何者かの存在をより強く彼に直感させるものとなっていた。
『動かぬ戦線への当てつけのように鉄帝国の泣き所が焼かれたのであれば、尚更』。
『鮮やかな手並みと相反するわざとらしい証拠が残されていたならば、猿芝居もいい所だ』。
 敵意を煽るという意味でこれ以上の行為は中々無い。
 その何者かが存在するとするならば、余程北部戦線に動いて欲しいらしいという事だ。
「……………」
 だが、押し黙ったザーバはこの仕掛けを単に敵意を煽るだけの狙いと読まない。
 それだけ用意周到な『悪辣』ならば被害をもっと拡大する事も出来ただろう。
 だが、通常の警戒に焼かれたのは一棟。
 厳重警戒になった今、同じ手段は取るまいが――

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