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銀嶺館

【図書室】魔種について

銀嶺館のどこかにある図書室。

貴方が見聞きした『魔種』についての情報を教えてください。
時にはTOP画面で伝えられる幕間劇や、参加した依頼、気になった依頼の他、自分が感じた事や思った事などを語り合ったりして、魔種の謎や正体に迫って行きましょう。

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「女王陛下の国を守る為にも此処は見過ごせません。今までも死体や魔種の暴走が見られてきたわけですし……」
「これ以上、国を荒らされる訳にもいかないし、被害も増えそうだもんな」
 ロックじゃない、と唇を尖らせるヴィマラに史之は緩く頷いた。
 幸いにして――幸いと言っていいかは知れないが――チェネレントラなる乙女は持久戦の根比べを選択出来る程、人間(?)が出来ていなかったようだ。子供じみて、感情めいた『招待』を送りつけて来る所からは彼女の嗜虐性と幼稚さが垣間見える。魔種なる存在に潜伏されれば至上に厄介なのは明白で、どちらも最悪に変わりないが劇場型の方がまだ対処は取りやすい。
 シルク・ド・マントゥールや砂蠍事件の時の事を考えれば、それは間違いなかろう。
 チェネレントラが本拠として選んだのは大渦の深き底に存在するという古都ウェルテクスであるという。
 海種の古き都であり、海洋の御伽噺にも数えられるというそれはソルベも幼い頃に耳にしたと言っていた。そして――海種であるイザベラにとっては『海種の屍骸が弄ばれる』という事実に心を痛めている事だろう(と、史之は痛ましい表情でそう云った)。
「チェネレントラはどうして海洋で……」
「古都に憧れてたらしい?」
「たった――『たったそれだけ』?」
 史之の言葉にヴィマラは曖昧に笑う。
 たったそれだけで、死体を弄んでいる。
 たったそれだけで、自身を敗者としたローレットへの復讐劇(リベンジ)の場所に選んでいる。
 たった、たった、それだけで『人を殺すことを躊躇わない』。
 此の儘、放置しておけば純種の多い海洋は呼声に飲まれる可能性が高く、そして――犠牲者が増えていく。
「……オンナノコってのは度し難い生き物なんだぜ?
 そういう生き方もロックなのかもしれないけど――」  無邪気は時に最悪の邪悪となる。
 魔種なる原罪のむき出しの感情はまるで揺らめく毒のようで。
 犠牲者を加害者に、加害者を犠牲者に誘い続けるセイレーンの歌声となるのだろう。
「――でも、でもさ。その先には救いはない」
 ヴィマラはそう、小さく呟いた。脳裏に浮かんだのは同じ血を流す片割の姿だけだった。


※海洋王国女王イザベラから緊急の依頼が舞い込んでいます!

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