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工房のある拠
【工房のどこか】 ジャケットの修復
果たして革細工である。
これと言うのも修復を引き受けたからなのだ、安請け合いにするつもりはなかったがさりとて完璧にするにはいささか経験が必要だった。
元々工房内には革の在庫もあり、自分でもなめして作っていたせいで豊潤な素材があったのだが、いかんせんそれは【工業技術】における分野のことであって(言ってしまえば革のアクセサリーを作ってるのもこの技術で)、衣類の修理となれば用いられる技術は話が違ってくる。
しかしやりようはあった。
かつて。
型紙は設計図、機械と同じくパーツを組み合わせれば服が出来上がる。この事実に気付いた時、トゥヨウは震えた。
うたた寝だった、ちょっと寒かった。
本職独特のセンスには敵わないが、全霊を持って当たると決めた。
失敗を重ねるのは苦しくも、得るものはある、加減のバランスを探りながら練習品を作り続ける。
愛用するのはノギス、精密な物作りには欠かせない測定道具だ、それにミシン。
始めは手縫いを試してはみたが裁縫を知らない人間には荷が重く、力を入れ過ぎた手が滑り、針の頭であるのに手の平を甲まで貫き通してしまった、本番では縫い穴をなぞることとなるにしてもさすがにお粗末、没にしてミシンが満を持しての登場と相成った。
ミシンはハンドルの手動操作も出来るのが重要で、正確に測った箇所へ一針一針入れて修復作業するにはうってつけだ。
破損修復で足りない面積については工房の物から当て革をする為に、いつもなら真贋を見分ける用の専門レンズを別用途に用いることにした、【鑑定眼】で風味の似た革だけでなく目も似通った箇所を探っていく。
当てる箇所はよく研いだ薄刃で丁寧に裁断してジャケットと合わせて接着することになるのだが、ここは無辜なる混沌、技術だけでは終わらずとろりと液体を垂らす、生体から抽出したもので生物的な再接着の臨床試験を行っている今回はより自然な出来上がりを求めて投入した物だった。
しっかりと押し当てて不純物を極力排すとライトヒールで活性を加速させ、接合を促していく。この時、完全に手放しにすると縮みが発生してしまうので定着が一定進んだら調整を重ねて自然な形を目指すのが腕の見せ所である。
果たして革細工である。
これと言うのも修復を引き受けたからなのだ、安請け合いにするつもりはなかったがさりとて完璧にするにはいささか経験が必要だった。
元々工房内には革の在庫もあり、自分でもなめして作っていたせいで豊潤な素材があったのだが、いかんせんそれは【工業技術】における分野のことであって(言ってしまえば革のアクセサリーを作ってるのもこの技術で)、衣類の修理となれば用いられる技術は話が違ってくる。
しかしやりようはあった。
かつて。
型紙は設計図、機械と同じくパーツを組み合わせれば服が出来上がる。この事実に気付いた時、トゥヨウは震えた。
うたた寝だった、ちょっと寒かった。
本職独特のセンスには敵わないが、全霊を持って当たると決めた。
失敗を重ねるのは苦しくも、得るものはある、加減のバランスを探りながら練習品を作り続ける。
愛用するのはノギス、精密な物作りには欠かせない測定道具だ、それにミシン。
始めは手縫いを試してはみたが裁縫を知らない人間には荷が重く、力を入れ過ぎた手が滑り、針の頭であるのに手の平を甲まで貫き通してしまった、本番では縫い穴をなぞることとなるにしてもさすがにお粗末、没にしてミシンが満を持しての登場と相成った。
ミシンはハンドルの手動操作も出来るのが重要で、正確に測った箇所へ一針一針入れて修復作業するにはうってつけだ。
破損修復で足りない面積については工房の物から当て革をする為に、いつもなら真贋を見分ける用の専門レンズを別用途に用いることにした、【鑑定眼】で風味の似た革だけでなく目も似通った箇所を探っていく。
当てる箇所はよく研いだ薄刃で丁寧に裁断してジャケットと合わせて接着することになるのだが、ここは無辜なる混沌、技術だけでは終わらずとろりと液体を垂らす、生体から抽出したもので生物的な再接着の臨床試験を行っている今回はより自然な出来上がりを求めて投入した物だった。
しっかりと押し当てて不純物を極力排すとライトヒールで活性を加速させ、接合を促していく。この時、完全に手放しにすると縮みが発生してしまうので定着が一定進んだら調整を重ねて自然な形を目指すのが腕の見せ所である。
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図面に無いものや部屋もあるんですよね…、なんでも書き残せるところであれば…と…。