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路地裏の影

夢の扉

とある街のとある路地裏の暗がりにそれはあった。
不自然な扉。
不思議な装飾が施された大きな扉だ。

あなたはその扉を不意に開いてしまうかも知れない。

※扉の先は夢の世界です。
※情景描写を入れて夢の内容を書き換える事ができます。
※特にルールは設けませんが、目に余る場合はW・H・パラサイトが一時的に場面を強制力を働かせます。

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それは道に迷っていた。かつては効いていた夜目が効かなくなり数多の路地が同じように見えていたからだ。
地下迷宮――『ダンジョン』と訳されるものは右を見ても左を見ても似たような石壁ばかり並ぶ。なぜか? 目印となるものがなければ惑いやすいからだ。
即ち、路地の裏も表も判らない深い夜闇に誘われ妖精小鬼が迷い込んだ。

「――宿というのは、ここか?」

寒さを凌ぐため分厚い縫製品に身を包んだ妖精子鬼は『そこ』を宿だと思っていた。
派手なピンクに染まりきった目に縦割れの瞳孔を滑らせて内部を眺め見る。

――驚くべきことに眼前には岩窟が広がっていた。故郷の岩窟だ。
光る花が自然とランプの役目を果たし働き者の鉱夫たちが立派に仕上げた宿場。
あまりにも見慣れた、二度と見ないと思っていた光景に『妖精小鬼』スチール・ピカクスは目を見張る。

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