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Deserted House

古寂れた居室

人通りもない寂れた通り。
元は住宅街だっただろう家々は古く、中でも一等朽ちた家が建つ。
ところどころ補修の跡があるその家は大きく、元は立派な屋敷だったことが窺える。
けれど、草木が伸び放題の庭に一部欠け落ちた壁、取手の外れた扉からは最早威容の一片も感じられないだろう。

人の気配は感じられず、物音も聞こえない。
扉は最早鍵もないのかプラプラと揺れている。

その奥に見えるのは居室だろうか。
古寂れた絨毯は虫食いで、置いて行かれたドレッサーに付いているのは割れた鏡。

人が寄りつくことは殆どないだろう。

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色んなことがあった3年だったね。一言では言い表せないほど。
(ガラスの失われた窓からの陽が、部屋の中に二人の影を伸ばしている。影に触れないくらいに近く腰掛けて)

思い出の分だけ、今はたくさん泣けばいい。
前に進むばかりじゃ消化しきれないようなことも、たくさん経験してきたんだから。
(キミもアタシもね、と。拭うことよりも止めることよりも、今は泣いてしまった方が良い、と)

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