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Deserted House

古寂れた居室

人通りもない寂れた通り。
元は住宅街だっただろう家々は古く、中でも一等朽ちた家が建つ。
ところどころ補修の跡があるその家は大きく、元は立派な屋敷だったことが窺える。
けれど、草木が伸び放題の庭に一部欠け落ちた壁、取手の外れた扉からは最早威容の一片も感じられないだろう。

人の気配は感じられず、物音も聞こえない。
扉は最早鍵もないのかプラプラと揺れている。

その奥に見えるのは居室だろうか。
古寂れた絨毯は虫食いで、置いて行かれたドレッサーに付いているのは割れた鏡。

人が寄りつくことは殆どないだろう。

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おや、目を覚ました?
(湯気の立つお粥を入れた椀を持ち、寝かせていた部屋を覗く。食器は新しく……食材を調達する時に一緒に買ってきたのだろう)

………おや。
(寝ていたはずの人の姿を見て、困ったように笑う)
ダメだよ、まだ寝てなきゃ。ほら、戻って戻って。
(お粥を乗せた盆を傍に置く。倒れ込んだ少女の体を寝床に戻すべく、体に触れようとする)

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