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Deserted House

古寂れた居室

人通りもない寂れた通り。
元は住宅街だっただろう家々は古く、中でも一等朽ちた家が建つ。
ところどころ補修の跡があるその家は大きく、元は立派な屋敷だったことが窺える。
けれど、草木が伸び放題の庭に一部欠け落ちた壁、取手の外れた扉からは最早威容の一片も感じられないだろう。

人の気配は感じられず、物音も聞こえない。
扉は最早鍵もないのかプラプラと揺れている。

その奥に見えるのは居室だろうか。
古寂れた絨毯は虫食いで、置いて行かれたドレッサーに付いているのは割れた鏡。

人が寄りつくことは殆どないだろう。

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あー……寝てるのか。死んでなくて良かったというべきかな……。
(一人そっと、安堵かため息か、ひとつ息を吐いて。さてどうしたものかと頭を悩ませたのも束の間、その決断は早く)

擦り傷できても許してね。
(聞こえていないことを分かりつつ、罪悪感の軽減を図る。頭を持ち上げるようにして、両脇の下に手を通し。よ、と掛け声のもと、廃屋へと引きずり込んだ)
(雨風にさらされるよりマシでしょう……あ、風は防げないか)

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