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Deserted House
(ふいに聞こえた歌声に、外へと耳をそばだてる。
ガラスの奥でぱちぱちりと瞬いて、徐々に大きくなる音に裏戸まで近寄って───)
(カシャン)
(カコッ)
(……ドンッッ!!!)
(釘が引き抜かれたことで蝶番が、蝶番が落ちたことで扉が、崩れ落ちた)
………エッ。
(惨状に思わず固まり、やがて肩をがっくりと落とす)
ボロだボロだとオモっていたけど、コレほどとは……ン?
(立った埃の向こうに、見覚えのあるシルエットを見つけ、首を傾げ、名を呼んだ)
………カタラァナ?
ガラスの奥でぱちぱちりと瞬いて、徐々に大きくなる音に裏戸まで近寄って───)
(カシャン)
(カコッ)
(……ドンッッ!!!)
(釘が引き抜かれたことで蝶番が、蝶番が落ちたことで扉が、崩れ落ちた)
………エッ。
(惨状に思わず固まり、やがて肩をがっくりと落とす)
ボロだボロだとオモっていたけど、コレほどとは……ン?
(立った埃の向こうに、見覚えのあるシルエットを見つけ、首を傾げ、名を呼んだ)
………カタラァナ?
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その裏口は、更にうらぶれた通りに面している。
ギィギィと揺れる戸は形を変え、もはや閉まることはなく。
裏口の塀は崩れ、戸口までの道は雑草で覆われている。
廃屋の中からは時折女の声らしきものが聞こえ。
割れた窓からは時折人影が横切るのが見えるという。
元の持ち主はとうに失く、今や幽霊だけがその住人──と近所で噂の廃屋であるのだが。
当然その正体は、勝手に住み着く我らがガスマスクガールである。
運が良ければ裏口から銃を担いで帰ってくる姿が見れるだろうが、そうでなくても裏口の戸から中で動くガスマスクが覗き見ることができる。
戸を叩けば、あるいは戸を動かせば、いつもよりも大きく不快な音が鳴るだろう。
家主代わりに住み着いている彼女もきっと、気付いて様子を見に来るに違いない。