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ロリババア牧場株式会社

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 夫は獣種であり、「動物疎通」スキル感覚を磨き上げていたので、タピオカピ・ドスコイマンモスたちの意見を汲み取り協議を重ねた結果、住民である彼らからの絶大な支持を得ました。
 繁殖に向かなくなった老齢のメスのタピオカピは自ら私たちの邸宅に訪れ、フェロモン分泌器官であるタピオカピ腺を差し出してくれるようになりました。
 ドスコイマンモスは自発的に土地を耕し潤し種を撒き、それを育て大地の恵みを定期的に運んでくれ、それらは私たちの収入源の大半を占めるようになりました。

 双方ともによい住民と大家であったのです。彼らは夫のことをその種族と貴族地位から「ブルーブラッドの旦那様」と親しみを込めて呼ぶほどに、関係は密でありました。


 一昨年、その夫が暗殺されました。


 その日、夫はいつものようにドスコイマンモス・タピオカピ協議会に参加するために楽園へ出向きました。
 わたしはキャッサバ料理を作って主人の帰りを待っていましたが、ついぞ夫は帰ってきませんでした。

 翌朝、不安になった私はひとり楽園へ赴きましたが、そこは鉄線が強引に取り払われ、ドスコイマンモスと外来タピオカピの死骸が山のように積まれ、適齢期のメスの在来タピオカピが攫われていました。
 残留物の中に、ロバのたてがみ、仮面のようなものと、おっさんのぱんつモチーフの繊細な刺繍の施されたハンケチーフがあり、一目で確信しました。

 「ピースオブレガド」の「オピーカ夫人」です。

 ピースオブファミリーの夫のやり方に異を唱える団体で、亜種が在来種と交雑しタピオカ腺を持たないタピオカピが増えることを懸念し、積極的に亜種タピオカピの駆除・排除を執り行う過激派の頭であるオピーカ夫人のハンケチーフに間違いありません! そして彼女は邪ロリババアを多数飼育していたはず!
 彼女もタピオカピを愛してやまない方でしたが、住処をなくしてやってきた外来種のタピオカピやドスコイマンモスに罪はありませんのに! なんてことを!

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