ギルドスレッド
スレッドの一部のみを抽出して表示しています。
ロリババア牧場株式会社
1/3(長文のため分割)
ーーーーここから読み飛ばそうーーーー
「こんばんは、いとしいわがこ」
反響する声。
暗やみに湿度を伴いながら浮かび上がってきた、おぼろげな輪郭の老ロバは、にぃ、と口角を上げ、心底楽しそうに微笑んだ。
吸い込まれるような瞳の中を覗き見るが、なにもなかった。そこに、光はない。
あなたは周囲をぐるりと見回してみたが、ロバ以外には何も、形ひとつ見つけることが出来なかった。辺りは一面、漆黒に染まっている。
光源もないのに、ぼやけ浮かび上がるロバの姿に少しばかりの不気味さを感じていると、その生物の口から、突如、いたいけな老婆のしわがれ声が滲み漏れ出た。たどたどしく、しかしどこか饒舌にそれは音素を奏ではじめ、そして速やかに翻訳された。
「こんばんは、いとしいわがこ」
「あなたのおかあさん、おばあちゃんのロリババアです。げんきにしていましたか。わたしはげんきです。はるですね。いのちめぶきはぐくむはるですね」
「ここはどこって? まあ。えらいわ。じょうきょうはあくは、いついかなるときもたいせつよ。でもざんねん。あなたにはおしえないわ」
ーーーーここから読み飛ばそうーーーー
「こんばんは、いとしいわがこ」
反響する声。
暗やみに湿度を伴いながら浮かび上がってきた、おぼろげな輪郭の老ロバは、にぃ、と口角を上げ、心底楽しそうに微笑んだ。
吸い込まれるような瞳の中を覗き見るが、なにもなかった。そこに、光はない。
あなたは周囲をぐるりと見回してみたが、ロバ以外には何も、形ひとつ見つけることが出来なかった。辺りは一面、漆黒に染まっている。
光源もないのに、ぼやけ浮かび上がるロバの姿に少しばかりの不気味さを感じていると、その生物の口から、突如、いたいけな老婆のしわがれ声が滲み漏れ出た。たどたどしく、しかしどこか饒舌にそれは音素を奏ではじめ、そして速やかに翻訳された。
「こんばんは、いとしいわがこ」
「あなたのおかあさん、おばあちゃんのロリババアです。げんきにしていましたか。わたしはげんきです。はるですね。いのちめぶきはぐくむはるですね」
「ここはどこって? まあ。えらいわ。じょうきょうはあくは、いついかなるときもたいせつよ。でもざんねん。あなたにはおしえないわ」
キャラクターを選択してください。
- « first
- ‹ prev
- 1
- next ›
- last »