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ギルドスレッド

unknown

家族会議

育むべき物語に『父親』も出来たらしい。此度は家族三人が揃う、塗料に溢れる夕餉だろうか。人間の赤は用意し難いが、我が身に宿る筆の彩を啜れ。ああ。冗談だ。兎角――物語を始めよう。貴様等はきっと美しい。

※※※
吸血鬼様と人間種様を呼んで。
ゆっくりと楽しもう。

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(目を閉じ、上機嫌に、鼻歌を歌っている。
 部屋の床にぺたりと座り込んで。)
 娘の後ろに浮かぶ三日月。
 明かりに照らされ反射する、闇黒の内に赤の形。
(はっ、と気配に気がつけば、くるりと向き直る
 ぱっと表情を輝かせれば腕を広げ)
……ママ!おかえりなさい!
「帰還した。此度は初めての会議的な云々だ。我等『物語』は吸血鬼と殆ど話を交わさず、此処まで発展した。故に機会を設けるのは必要不可欠だろう。兎角。父親の輪郭を待ち望み、適当な場所に座すべきか。椅子ならば幾等でも在る。30~300に合わせて」
(ぎゅーって貴方に抱きつこうとしつつ)
30も、そんなにいるかなー?
さて…遅くなってしまってすまない。ご機嫌よう、2人とも。

…それは「娘を持つ母」として正しい反応だよな。俺も君個人に興味はあったのだけれど…順序が違うにもほどがあるな…

というわけで、質問攻めにあうつもりで来た。なんでもどうぞ…
「数とは違うな。確かに数字だが体格の話だ」
 抱擁を受け入れよう。
「む。随分と遅い到着だな。吸血鬼。質問攻めも何も我等『物語』は育む為に在るものだ。貴様が如何なる『言の葉』を扱おうと我が意思は絶対に変動せぬ。街角での騒動は耳にしたぞ。相当派手に『戯れた』らしい。相手が悪戯好きなのか本気なのか其処を思考すべき」
…戯れた…?なんのことを言って…もしや昨夜のことか…
…あれは…そうだな…済まないことをした。
俺もそこまで事態を悪化させるつもりはなかったのだが…相手が見れていなかったのだな
「宜しい。街角での騒動は良く在る話だが、誰が何を視て有るのか解せぬ。まあ。我等『物語』も相当『やってしまう』類なのだが。取り敢えず其処は置いて笑おう。話題を変えるぞ。貴様が如何なる所以で父親と成ったのか。おそらくは貴様の方が『それ』には向いて在るだろう。我等『物語』は筆を入れるか否かを判断するのみ」
…多分君も同じなんじゃあないか?
「この娘の不思議な色をした瞳に真っ直ぐ見つめられたら、目を逸らせなくなった」んだ。
…そもそもは親になるつもりもなかったし…いろんな葛藤があったが、
「ひとりぼっちの可哀想な娘にしたくない」
という思いが全てにおいて勝った。
理由といえばそれだけのことだ。
「真逆だな。我等『物語』は【逸らして】終いそうだ。故に覗き込んで終いを視よう。ひとりぼっち。可哀想。確かに其処も思考の内だが、最も重要なのは新しい在り方の『徹』だ。此れが我等『物語』の脳髄を掴み、腕の先まで筆と成す。娘の前で語るのは容易いが、我等『物語』が望むのは偽りだ。聖杯の如く不実で在り続け、最後には【真実】と説かれた泥を吐け――何処まで教えたのだ。カオスシードのシグルーン」
(ママをぎゅーっとしていたが、
 パパの方にも手を伸ばし、抱きつきに行こうと)
…甘えたいのかい(シグを真ん中に3人横並びになる位置に座った)

…まあ、シグには白状したのだから、君に黙っておくのも変だな。

…俺は妻と、その腹にいた我が子を殺した。なので本当は…今でも、子を持つことが怖い。いつかまた傷つけ亡くしてしまうことが怖い。
「ほう。此れは実に面白いな。正しく泥だ。たまらないほどにいとおしい……何。貴様が背負った罪など混沌では通用せぬ。心配すべきは真逆だ。純種とは一個の爆弾で在り、破滅へのマイナスとも思考可能。旅人が狂う云々は仔犬の甘噛み。にゃははと嗤う我が身の如く」
咎められると思ったら愛おしいと言われるとはな。予想外でリアクションに困るじゃあないか…

…シグがなにか?
(父親にぎゅうと抱きつきながら)
……んー。シグの血を飲んだほうが、
シグが言うより、きっと理解が早い気がする?
「此処での選択は重要だぞ。今後の展開に関わる。我等『物語』は適当にホイップクリームを飲んで眺めよう」
…ようはひと、カオスシードではないということか?
…………。
(返事はない。代わりに、指先を齧ると、血がポタリと落ちた)
…前も飲めと言ってきたな?そんなに飲んで欲しいのか…?なにか…
(その細い手をそっと掴む…牙を立てぬように口に含もうと)
(口内に広がるは海水の味。
 鉄と共に入り混じる魚の血。――カオスシードならざる味。)
…っ(一瞬塩味に顔を顰めた)
嗚呼…確かに、カオスシードではないな…海…ということは、この世界で言うところのディープシー、か…?
(言葉にはしない。だが、ぽさ、と顔を貴方の胸に埋めてぎゅうと抱きしめる様子は、肯定を示していた)
…それで?だからどうした?(そのまま指を絡めて手を繋ぐ)
だって、俺は動く屍、悪く言えばゾンビの親戚のようなものだし…君のママも何だかよくわからないものだし…(悪気はないぞ、とオラボナに一瞬目配せし)
俺たちだけじゃなく、この世界には色んな者達がいる…まあ、そこに元々ある確執だとか因縁は正直分からん、が。
種族なんて、些細な違い、小さな区別のための枠組みでしかないだろう?
……でも、それでも「私」はカオスシードがいい。
ディープシーは嫌、みんな虐めてくるから。
ならそれでいい。種族どうこうの前に君は君なのだから。与えられたその枠が邪魔なら取っ払って合うものを嵌め込めばいいだろう。
合わない型に嵌められて自分を曲げてしまうなよ…愛しい子。
……ありがとう、パパ。
ごめんなさい。嘘をついて。
でも……「シグ」は、カオスシードでいたいの。
別に気にしないさ…。俺も人間のフリをしていた事があるし…人間になりたいという気持ちもわかる気がする(ふ、と目を細め)
生きたいように生きるといい。手伝えることは手伝うよ

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