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博物館の恐怖

テネブラエ
アナタは戸口を開けた。
其処に羅列するのは『像』で在った。
病的な雰囲気に塗れた『像』には。

動くような気配。

我が作業場は客だけを歓迎する。

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普遍的な恐怖の代表例には死の恐怖が存在する。万人が飽きた恐怖だとオラボナ君は説いたな。では何故死が恐怖されるのだろうか…?未知の恐怖だから?それもあるかもしれない。
だがどちらかというと死への恐怖は怯え、臆病心から来るものだ。
ならば真の恐怖とは潜在的な物、突き詰めれば心に刻まれた恐怖の遺伝子に起因するものではないだろうか?心という臓器は心臓や脳ではない。だが他の臓器が遺伝子によってあるべき形に造られているのに心だけが特権的に自由であることなどありえない。親兄弟と思考や性格が似ると言うのも心も遺伝しているからだ。ならばどうしても中途半端な恐怖になってしまう。
未知とは無知ではない。つまり既知も含まれている。ある程度は認知度がなければ恐怖と成りえない。難しい所だの。

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