アナタは戸口を開けた。
其処に羅列するのは『像』で在った。
病的な雰囲気に塗れた『像』には。

動くような気配。

我が作業場は客だけを歓迎する。

「酔う前に顔色が悪そうだが、調子は如何だ。我等『物語』の眼前で偽るとは滑稽以外の何者でも無い。無いのだよ。話を逸らして目を逸らすのか。目玉は常時忙しないらしい。此処は笑う台詞だぞ。おばか。全く。贋作相手に演技で対抗するとは愚かな。ニンマリとした貴様は空元気だと誰だって理解可能。少しは安らかに生きるべきだ」