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博物館の恐怖

テネブラエ
アナタは戸口を開けた。
其処に羅列するのは『像』で在った。
病的な雰囲気に塗れた『像』には。

動くような気配。

我が作業場は客だけを歓迎する。

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 ――Y'lloig azoth ng’n’ghft.
 ――Y'bthnk yog ng’ lw’nafh.
 ――Y'Kadath’nyth,uim Azathoth hlirgh.
 冒涜的な音色。病的な鼓舞。混沌の輪郭を描写した芸術作品『半端物』が作業場を埋め尽くす。膨張する鉱石は元の性質を忘却し、幻覚凄惨な世界を映し始めた。未知を騙った既知どもの所業は人間を悦ばせ、至高の娯楽を綴らせる。崩壊したものは遊園地『始まり』の片隅に置かれ、皮肉的な象徴と見做され『維持』される予定だ。芸術家は腕を揮う。手先を揮う。怪奇な手先で何番煎じを造って晒す。創造と破壊に塗れた、滑稽な愚痴曖昧『アザトート』を――詩が聞こえた。愛らしい声だ。作業を中断しよう。

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