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博物館の恐怖

テネブラエ
アナタは戸口を開けた。
其処に羅列するのは『像』で在った。
病的な雰囲気に塗れた『像』には。

動くような気配。

我が作業場は客だけを歓迎する。

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「新たなる発見とは言い難いな。色彩は普遍的な人類と同等だと思考すべき。問題なのは『初の痛覚確認』で在る現状か。我等『物語』は生命を得たのが『転移時』故に――成程。好ましい気分とは解せぬ。体液を啜られる素晴らしき機会。存分に悦ぶ……成程。貴様。急激に採るのは退屈だ。無い双眸が……貴様の仮面……世界が退けて往く」
 実際に経験するのは初なのだ。外部からの痛覚刺激。否。奇妙な採血は『物語』の意識を薄れ――兎角。普通の反応。問題は流れる体液に在り。抜ける『色』は確かに赤だろう。されど『造り物』の赤。絵具じみた紛い物。管が詰まるようで。
 ああ。物語は喪失間際。

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