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博物館の恐怖

テネブラエ
アナタは戸口を開けた。
其処に羅列するのは『像』で在った。
病的な雰囲気に塗れた『像』には。

動くような気配。

我が作業場は客だけを歓迎する。

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中身は、男女どちらにも為れる性質上、私は私だとしか言えぬな。
愛という感情を解せんが、それを知りたくは思っている。理由は非常に俗なのだが、元の世界で愛に敗れたからだな。
だが、第三者の目線に立たねば、愛だと理解できないのかもしれないと最近思う。

恋は美しいが、当事者になってしまえば恋せぬ昔が恋しくなる。
世の中は暑苦しい。正義だの、自由だの、友情だの、俯瞰してみれば、きっと美しいのだろう。
当事者にとってみれば、トラブルや情の真っ只中で、これが愛だ。これが友情だ、といった美しさを感じる余裕があるのか疑問を覚える。
雨の中、傘もささず、マイフェアレディを待ち続ける紳士を、第三者の目から見れば、哀愁だの愛の美を見いだせるだろう。しかし当事者からすれば美を感ずる余裕などない。

愛はあるのかもしれない。
これが愛と理解できていないのかもしれんが。
こういう場は一種の瞑想のように、世間を見つめ直す場としてみる。

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