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博物館の恐怖

テネブラエ
アナタは戸口を開けた。
其処に羅列するのは『像』で在った。
病的な雰囲気に塗れた『像』には。

動くような気配。

我が作業場は客だけを歓迎する。

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私は確かに死に恐怖した。愛する者を失った事と知識を失う事を懸念して死者蘇生と不老不死を求めた。それは忘却、喪失感だろうか?死を想うが故にタナトフォビアに陥った私はきっと狂っていた…だから平気で大切な部下230名を実験素材にした。死と老いは事情がよく似ている。不死になったとしても死の恐怖を克服したわけではない。死に立ち向かったと世間は言うが、そうではない死から逃げたのだ。それは死というものの理解が乏しかったからだ。
私は研究を重ねるにつれ死は魂に密接すると考えた。そして世のシステムを見つけることで輪廻転生の答えに至った。死は終わりではなく通過点でしかなかったのだ。死は次の生への旅立ちである故に私は死に殺意、憎悪を抱いた。だからこそ私は正常を保ちながら狂っている。
人間以外の生命体に恐怖が伝染するならば神にも伝染するのだろうか?
だとしたら、例え神でも死ぬのは怖いか?と私は問いたい。

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