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足女の居る宿

暗がりの一幕【ワンシーンRP】

路地、路地、路地、薄暗がりの路地。
無理な拡張と過密化、そして時折訪れる急速な過疎化により無秩序に伸びる無数の道。
道行く人は少ないが、すれ違う一幕が運命となりうる時もあるかもしれない。



(1対1かつ、1シーンにつき一人最大10レスまでのRP用スレッドです。
短い邂逅、日常の一幕等の切り抜き的なRPの為に使用します。)

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御名残り惜しい……。
でも、ええ、そろそろ限界ですね。

(暖かさが遠ざかる。頭では理解していても、眉が下がるのを抑えられなかった。
だが、ジョセフの言葉通り既に限界は近い。未だに潤んだままの瞳は新緑の瞳を見つめながらも理性は緩やかに「日常」に回帰するための演算を始めていた。

手が解かれ、密着していた影が離れる。
数分前に腰かけた位置に戻っただけのはずなのに、心の中にあるものは全く別の事だ。
別れへの寂しさ、迫ってくる次の仕事への焦り、そしてそれを大きく上回る悦び。
態度では理性を優先させながらも、手のひらに受けた口づけへの悦びに未だに酔い、浸っているのだ。今走らせている嗜好の裏側で、叩きつけられてあふれ出た感情を一つ一つ呼び起こし忘れない様に何度も何度も繰り返しているのだ。
それがあらゆることを覆い隠して、再び礼拝を穏やかに微笑ませる。)

私、今日の事忘れません。
グラオ・クローネに貴方にお会いできてよかった。

(立ち上がって一礼すると、ジョセフに対して眩しそうに目を細め、深く息を吸った。)

ありがとうございます。
……お見送りさせていただきます。ジョセフ様、また、また、遊びに来てくださいましね。

(さようなら、という言葉はつかえなかった。
代わりに「次」を望みながら、ジョセフが宿の中に居るまでは寄り添い見送ろうとするだろう。
引き留めようとしたり、まして縋りつくような事はないが、共にいる時間を少しでも伸ばそうともがくように)

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