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足女の居る宿

郊外・渓流沿い集落

ひらひらと、黒い羽根のとんぼが飛んでいた。
青い空にはぽっかりと千切れ雲が浮かんで遥か彼方を流れている。

貴方の傍らの少女はつば広の帽子をかぶってらしくもなく歯を見せて笑う。

遠くにはせせらぎの音。
天頂に座す光の中、木々の木漏れ日の向こうで魚が大きく跳ねた。

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(愉しい。彼の中にはその感情しかなかった。
仮面の下で緑の瞳を輝かせ、滴を飛ばし鱗を煌かせてくねる魚を見つめる。礼拝の手を握り潰さぬよう手加減する意識は辛うじて残っていたが、つい先程まで感じていた痛み恐れは完全に忘れ去っていた。
まるで子供。いや、子供そのものだ。与えられた刺激に対し、己を偽らず素直な反応を返す。いや、偽る手段を知らないのかもしれない。
しかし、忘れてはいけない。この感情は彼流の『愛する』という行為の最中に生じるそれと同じだ。)

凄い。凄いなあ礼拝殿!
見ろ、この力強い動きを!しっかりとした身体だ。この身は逞しい筋肉で占められているのだろう。必死で逃げようと藻掻いている。
生きがいいな。きっと美味いだろう。

(くすくすと笑いながら、針にかかった魚に手を伸ばす。これは礼拝の手柄だ。逃してやるつもりなど毛頭ない。市街に戻って屋台に寄るつもりだって無い。
竿から、礼拝の手の上から、無骨な手が離れる。両手で魚を軽く掴み、ぱくぱくと開閉する口から針を取り外す。夢中になるあまり己の竿を足元に転がしていることすらも認識の外にある。)

……礼拝殿?

(しかし、礼拝の事は忘れなかった。
外した魚を手渡そうと横を見る。そこでやっと、彼は礼拝の顔を見つめて仮面を傾げた。)

どうしたんだい。そんな顔をして。

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