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足女の居る宿
―――。
(遠くで蝉が啼いている。夏の終わりの蝉が、空に)
ふ、ふ、ふ、楽しい時間に水を差してしまいましたね。
(誤魔化す様に早口になる。籠から餌を一つするりと奪って針につける。
まるで、釣り始めさえすれば追求を逃れられると信じているように素早く針先を隠す。
表情こそは微笑んでいるが内心は焦りでいっぱいだ。
以前、「自分自身を誇りに思う」「他の世界に負けたくない」と、そこまで言ったのに、いま行っているのは「勝つための戦い」ではなく「負けないための戦い」である。
上昇志向のないそれは「最高性能」を自負する礼拝にとって、自分自身に対する裏切りにも等しい。
それを晒したのは、本当は、ジョセフを本音の言葉で落ち着かせたかったのではなくて、じくじくと沁入ような痛みを共有したかったからだ。)
(水音)
(ジョセフの言葉を、行動を待たずに餌のついた針を生け簀に投げ入れる。
本当に卑しい心は奥に沈めて、しかし、沈黙を贖う言葉が出てこない。)
(遠くで蝉が啼いている。夏の終わりの蝉が、空に)
ふ、ふ、ふ、楽しい時間に水を差してしまいましたね。
(誤魔化す様に早口になる。籠から餌を一つするりと奪って針につける。
まるで、釣り始めさえすれば追求を逃れられると信じているように素早く針先を隠す。
表情こそは微笑んでいるが内心は焦りでいっぱいだ。
以前、「自分自身を誇りに思う」「他の世界に負けたくない」と、そこまで言ったのに、いま行っているのは「勝つための戦い」ではなく「負けないための戦い」である。
上昇志向のないそれは「最高性能」を自負する礼拝にとって、自分自身に対する裏切りにも等しい。
それを晒したのは、本当は、ジョセフを本音の言葉で落ち着かせたかったのではなくて、じくじくと沁入ような痛みを共有したかったからだ。)
(水音)
(ジョセフの言葉を、行動を待たずに餌のついた針を生け簀に投げ入れる。
本当に卑しい心は奥に沈めて、しかし、沈黙を贖う言葉が出てこない。)
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青い空にはぽっかりと千切れ雲が浮かんで遥か彼方を流れている。
貴方の傍らの少女はつば広の帽子をかぶってらしくもなく歯を見せて笑う。
遠くにはせせらぎの音。
天頂に座す光の中、木々の木漏れ日の向こうで魚が大きく跳ねた。