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足女の居る宿
(俯いた仮面が再び礼拝の方へ向けられる。素顔を隠すこの仮面さえ無ければ、歓びに輝く緑の瞳を見ることが出来ただろう。
『私も楽しいです。』
礼拝に与えられた間をいっぱいに使い、彼女が発した言葉を何度も何度も咀嚼する。焦燥と不安で満ちていた胸中が歓喜で満たされる。)
あ……ありがとう。嬉しいよ。うん。
でも、この私を可愛いだなんて……変わっているな、君は。いや、不快ではないよ。不快ではないが、その……こそばゆいよ。あまりからかわないでくれ給えよ。
(照れ隠しに仮面を撫でようと持ち上げた手。しかし、その手に持つ団子の付いた針の存在を思い出し、慌てて引っ込めた。
浮ついた声、仕草。しかし、続けて発せられた礼拝の言葉によって、その声と仕草は一瞬で冷えて固まった。
警戒か。いや、彼女に好意を抱いているが故の恐怖だ。)
……卑しい、心根?
(ゆっくりと、仮面が傾ぐ。)
『私も楽しいです。』
礼拝に与えられた間をいっぱいに使い、彼女が発した言葉を何度も何度も咀嚼する。焦燥と不安で満ちていた胸中が歓喜で満たされる。)
あ……ありがとう。嬉しいよ。うん。
でも、この私を可愛いだなんて……変わっているな、君は。いや、不快ではないよ。不快ではないが、その……こそばゆいよ。あまりからかわないでくれ給えよ。
(照れ隠しに仮面を撫でようと持ち上げた手。しかし、その手に持つ団子の付いた針の存在を思い出し、慌てて引っ込めた。
浮ついた声、仕草。しかし、続けて発せられた礼拝の言葉によって、その声と仕草は一瞬で冷えて固まった。
警戒か。いや、彼女に好意を抱いているが故の恐怖だ。)
……卑しい、心根?
(ゆっくりと、仮面が傾ぐ。)
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青い空にはぽっかりと千切れ雲が浮かんで遥か彼方を流れている。
貴方の傍らの少女はつば広の帽子をかぶってらしくもなく歯を見せて笑う。
遠くにはせせらぎの音。
天頂に座す光の中、木々の木漏れ日の向こうで魚が大きく跳ねた。