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足女の居る宿

灯が消えた宿

闇の帳のその向こう。
湿った石畳と酒気と汚濁の匂い。

狂おしい時間が過ぎて夜も眠りに入ったその時間。
灯が消えた宿の鍵が開いている。
扉をくぐれば水の様に張り付く闇の向こうの薄明かり。
その先で、少女のような形をした人形があなたを待ち受けていた。

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(他者を抱えて運ぶのは初めてではない。むしろ、飽く程に繰り返した単調な作業。
大抵は荷物のように肩に担いで運んでいた。枷や帯で自由を剥奪し、若しくは薬品で意識を混濁させて、意志の無い肉塊として運搬するのみ。彼としは、拘束も薬品も使わず無理矢理に押さえ付けて運んでもよかったのだが、そこは規則・紀律が許さない。
今、腕に抱える少女もまた異端者だ。『愛』すべき存在だ。しかし、そこには新鮮な喜びと、戸惑いがあった。)

(二人分の体重を受けた版板が微かに軋む。一歩、一歩、目的の部屋へ通ずる階段を登り進む。
途中、射し込む薄青い光に照らされた、あどけない寝顔を見た。苛虐欲は鳴りを潜めて一方的な庇護欲と独占欲が満たされる。
だが、ああ、しかし。目当ての扉は直ぐそこに。予想した通り大した広さでも、道程でも無かった。分かっていたが、気持ちが沈む。
けれどもこのまま礼拝を休ませぬ訳にもいくまい。気を取り直し扉をくぐる。)

今日はとても……有意義な時間であった。

(寝台がひとつ、椅子が一脚。眠る女が一人、それを抱き抱える男が一人。
寝台へ歩み寄り、眠る身体を横たわらせる。低い声で語り聞かせる。聞こえているだろうか。いや、安らかに眠り休んでいるならそれでいい。)

おやすみ、礼拝殿。そしてさようなら。
また、こうやって語らおう。今度はきっと、心穏やかに。
楽しみにしているよ。とても、楽しみに……。

(屈み込み、耳元で囁く。どこか、偏執的な響きを含ませた声色で。
そして、執着を断ち切るように、背を向けた。)

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