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足女の居る宿

灯が消えた宿

闇の帳のその向こう。
湿った石畳と酒気と汚濁の匂い。

狂おしい時間が過ぎて夜も眠りに入ったその時間。
灯が消えた宿の鍵が開いている。
扉をくぐれば水の様に張り付く闇の向こうの薄明かり。
その先で、少女のような形をした人形があなたを待ち受けていた。

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(以前の、ほんの少し前の彼であれば、嬉々として人形をこわしただろう。無邪気な子供のように、玩んで、笑って。そして、悔いるのだ。手遅れになってから。
しかし、成熟した肉体にそぐわぬ幼子のような精神は、礼拝との邂逅を経て僅かな成長を遂げた。遂げてしまった。)

…………。

(瞼を伏せる。目前に闇が拡がる。闇の中で思考する。
礼拝から、彼へ。向けられた感情は悦ばしいものだ。しかし、ああ、そうだ。流されてはいけない。貪ってはいけない。傷付くことは怖くない。壊れたって構わない。寧ろ悦ばしい。それが己だけであるならば。

彼は脆いものを、儚いものを厭う。直ぐに壊れてしまうから。
否、壊さずに済む方法が想像できないのだ。分かりきった未来を予測できないのだ。それは圧倒的な経験不足に因るもの。
成長とは多様な経験を積むこと。彼にはそれが足りなかった。器ばかりが大きくなり、偏った経験ばかりを詰め込んでしまった。)

わかった。

(瞼を上げる。礼拝が見える。吐息を感じるほどに近く。
壊れてもいい。でも、壊したくはない。愛は封じよう。齎すことが出来ないのならば、己を捧げよう。
仮面は忘却しよう。曝け出そう。委ねよう。信じよう。 )

僕は君を愛さない。

(胸の奥がずきりと痛む。初めての苦痛、そして戸惑い。またひとつ、経験が積み上がる。
痛みを堪えて、傷だらけの両手を礼拝の背にまわす。慣れぬ動作で、ぎこちなく。)

でも、僕は君がすきだ。だから、信じよう。
順位は付けない。付けられない。この感情に当てはまるものを僕はまだ他に知らないんだ。
これは何だ。僕はどうすればいい。僕は一体……人間とはなんだ。
導いてくれ。教えてくれ。育んでくれ。

(緑の瞳は礼拝を見つめ続ける。未知を恐れる幼子の眼だ。)

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