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ギルドスレッド

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足女の居る宿

灯が消えた宿

闇の帳のその向こう。
湿った石畳と酒気と汚濁の匂い。

狂おしい時間が過ぎて夜も眠りに入ったその時間。
灯が消えた宿の鍵が開いている。
扉をくぐれば水の様に張り付く闇の向こうの薄明かり。
その先で、少女のような形をした人形があなたを待ち受けていた。

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(沁入:礼拝の目は、心は、足以外の全ては、足を至上のものとするために存在している。
目玉だろうが、顔の造形だろうか、それ単体では傑作ともてはやされるだろう。
だが、盛られたメイン料理の前で、皿の模様を重点的に褒める者など居ない。
それだけの話なのに。

緑色に見られると、その程度の囀りすらできない。
心臓が見えない手に握りつぶされているようだ。
見られたい、その視線を独占したい。もっとその唇から「私」の事が零れ落ちるのを聞きたい。)

(呼吸停止、思考凍結、深呼吸、再起動、再起動、再起動再起動再起動再起動……。)

「足女」ですもの。

(二呼吸以上遅れての返答)

足を褒められるのも、足を見られるのも、慣れております。
そのついでで、瞳を褒める方はいても、貴方のように、そんなにも……。

(瞳を見つめる人はいなかった、と唇が動く。)

どうぞ、触れてくださいませ。私は、その為のものですもの。

(声が甘く、恐ろしい。
表情は平静を装っても、聞く度に感情は嵐の湖面に落ちた頼りない枯葉のようにもがき沈んでいく。
シロップのように粘度のある甘い毒が耳から侵食してくる。
どうなってもいい、頷いてしまえ、きっと良いものが観測できる。
もっともっと、深くに潜れる、知ることが出来る。相手の愛を、思いを、痛みを、何もかも。
同じに、抵抗をやめて、――大きく息を吸った)

いけません。

(知らず、声がかすれた。

両手で相手の頬をひしと包み込み固定する。
微笑みを捨て、歯を食いしばってジョセフを見つめ返す。)

それを、したら、私は、あの方と、私を比べます。

(唇が震える。鼻の奥がつんと痛んで、目尻に涙が浮かぶ)

比べて、しまいます。今日ここへくる前の貴方のように。
一つ一つの動作を見て、あの方と貴方との関係を、思い出してしまいます。

やめてください。

(一言一言、血を吐く時のように悶えながら訴えかける)

私を、二番目にしないで。

(――だから、余計なものまで落ちた)

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