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足女の居る宿

灯が消えた宿

闇の帳のその向こう。
湿った石畳と酒気と汚濁の匂い。

狂おしい時間が過ぎて夜も眠りに入ったその時間。
灯が消えた宿の鍵が開いている。
扉をくぐれば水の様に張り付く闇の向こうの薄明かり。
その先で、少女のような形をした人形があなたを待ち受けていた。

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(かちり、と何処かの部品が音を立てた。
内部の留め具が外れたのだ。緩んだ仮面は軽く力を入れただけで、抜け殻のように頭部から抜け落ちる。
ずしりと重いくろがねの仮面。防具の部類と比べれば幾段か劣るが、造りは頑丈。)

あぁ……っ。

(外気に晒された顔が震え、歪む。顔面のあらゆる穴から体液が溢れて止まらない。
やんわりと振り払われた両手が頭に伸びる。しかし、そこに仮面は無い。頼るものも、隠すものもない。)

痛みはあった。でも、恐怖は、無かったんだ。僕には苦痛が愉悦で、愉悦が苦痛、で……うっ、うぅ…っ。
この、この傷だって、自分で付けたんだ。
手元が、く、狂って……異端者が抵抗して……。でも、それは、一寸気を付けさえすれば、充分防げるもので……。

誰も、誰も、僕を気にかけなかった。でもっ、僕もそれを望んでいたんだ。孤立する苦痛すら、僕には……ふぐっ、う、ううううぅぅ……っ。

(呻き声の合間に嗚咽が混じる。歪んだ顔は溢れ出る体液でぐしゃぐしゃで、だが、当の本人にはそれを気にする余裕など何処にもなかった。)

怖いのは、今だ。今、この時、現在が怖いんだ。
僕は開放された。でも、でも、それが永遠だという保証は無い。
嫌だ……嫌なんだ。離れたくない。助けてくれ。

(傷だらけの手が伸びる。救いを求める亡者のように。)

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