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ギルドスレッド

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足女の居る宿

灯が消えた宿

闇の帳のその向こう。
湿った石畳と酒気と汚濁の匂い。

狂おしい時間が過ぎて夜も眠りに入ったその時間。
灯が消えた宿の鍵が開いている。
扉をくぐれば水の様に張り付く闇の向こうの薄明かり。
その先で、少女のような形をした人形があなたを待ち受けていた。

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(揺らぐ。揺れる。墜ちるような感覚。足元の地面が無くなったのかと錯覚するほどの、衝撃。
礼拝の瞳が、言葉が仮面を抜けて突き刺さる。
それらは仮面で整形された『私』という自我にとって、理想の回答であった。)

ああ。ああ。そうか。君は……

(前歯の裏を舐める。滲み出た僅かな唾液を舌でかき集め、なんとか飲み込む。喉も、口の中も渇ききっている。
口の中に貼り付く舌をなんとか動かし、ひりつく喉を震わせ苛み、かすれた声で次の言葉を紡ぐ。)

素晴らしい。誇り、とは。素晴らしい答えだ。
君は己を信じているのだな。君は世界を信じているのだな。君は神を信じているのだな。
君、は……。

(突き付けられた『理想』は彼にとってあまりに過酷だった。残酷だった。打ちのめされる思いだった。
己に重ねた筈の礼拝が遠のく。いや、違う。離れたのは、外れたのは己だ。理想に沿うことも出来ず、理想を棄てることも出来ず、未練がましく遠巻きに眺める己の惨めさ。

そう、だからこそ。
続く礼拝の言葉が、彼女が選び、繋げ、発した単語のひとつひとつに救われた。握り返された手の柔らかな感触に救われた。)

僕は君のようにはいられない。いられなかった。
僕、は……信じていたが、信じきれなかった。疑っていた。恐れていた。己も、世界も、神も、何もかも。
信頼も、確信も、何も、無かった。僕は、僕は、愚かで、臆病で、だからこんな……仮面で……。

(狭い視界が滲む、歪む。
手の力が緩む。しかし、その手は離れない。縋るように、甘えるように、礼拝の小さな手を握ったまま。)

……礼拝、殿。頼む。ど、どうか……っ
僕を、僕を慰めておくれ。僕を救っておくれ。一時でいいんだ。惨めな僕を、情けない落伍者を、慰めて、救って……う、受け入れて、くれ。
そっ、そして、君が望むなら……っ。

(仮面の下で目を閉じる。温かい何かが一すじ、頬を伝って流れて落ちた。
そこで漸く気が付いた。己は涙を流しているのだと。途切れる言葉は嗚咽のせいだと。)

……いや、許してくれるなら……か、仮面を、外して……お願いだ。

(俯く。執行人に無防備な首を晒し、差し出す罪人のように。
仮面は簡単に外れるだろう。貴方が許すのであれば。)

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