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足女の居る宿

灯が消えた宿

闇の帳のその向こう。
湿った石畳と酒気と汚濁の匂い。

狂おしい時間が過ぎて夜も眠りに入ったその時間。
灯が消えた宿の鍵が開いている。
扉をくぐれば水の様に張り付く闇の向こうの薄明かり。
その先で、少女のような形をした人形があなたを待ち受けていた。

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う。

(傷だらけの手の上に重ねられる手。生の感触に身動ぎ、慄く。覆うものはない。遮るものはない。仮面越しのそれとは全く違う。
触れる事には慣れている。いや、『触れる』などという表現は生易し過ぎるか。自由を奪い、一方的に侵して、暴き、晒す。彼にとって傷は労るものではない。増やし、抉り、拡げるもの。
しかし触れられる事に関しては未知。稀に拘束を振り切った異端者の反撃を受ける事はあったが、そのような状況は故意的にでも作り出さなければ有り得ないもの。)

『反転』か。旅人が反転とは可笑しいことを……冗談。冗談だとも。解っているよ、そういう意味ではないと。

(笑いと共に戯言を吐き出し、動揺を誤魔化す。)

信仰、或いは依存。そして排他。
これが私と言いたいのか。私はそういう物体、と……。おや。

(右の指先に突起が触れる。端正な少女の外見にはそぐわぬ違和感。異物感。
軽く指先で弾いてれば、跳ね返る僅かな感触の違いからからその下にあるのは肉ではないと分かった。その器官、いや、部品が具体的にどのような役割を担うものかまでは判らない。しかし、それが肉人形と人間を隔てる要素のひとつだと言うことは凡そ見当がついた。)

……くそ。
ああ、そうだった。人形。人工物。芸術品。許し難い異端。
その様な分際で、愛するなどとほざいたか。その様な分際で、少しでも安らかにあるようにと願うなどとほざいたか。
作り物だろう。その身も、言葉も。
人に造られた分際で、この、私を……。

(唇が震える。舌が動かない。言葉が続かない。何故か。
せめてと力を込めた両の手も、使い物にならない。石のように固まって動かない。何故か。
気が付いてしまったのだ。異端。人に造られた分際。ならば、物語は。

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