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梔色特別編纂室
……私もよ、リラ。
嬉しい。
(少しだけ。ほんの一匙だけ、「本気」を籠めて。)
じゃ、授業料。
私にご教授頂こうかしらね、唸っちゃうようなチョコレート!
(あんまりキッチン用品揃っていないのだけど、とぼやきながら)
(グラオ・クローネが終わったあとには、何故か製菓用品だけが、充実してしまうのだろう。)
嬉しい。
(少しだけ。ほんの一匙だけ、「本気」を籠めて。)
じゃ、授業料。
私にご教授頂こうかしらね、唸っちゃうようなチョコレート!
(あんまりキッチン用品揃っていないのだけど、とぼやきながら)
(グラオ・クローネが終わったあとには、何故か製菓用品だけが、充実してしまうのだろう。)
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「宝島卿」ホーキンス家からの招きを受けた私を待っていたのは
確かに「宝」、ではあった。
海洋らしい日に焼けた肌。はちきれんばかりのまんまる坊やが頬を真っ赤にして、
その後ろには「がんばれ坊ちゃま」「勇気を出して」なんて応援団、もとい侍従たちが勢揃い。
震える手で手紙が差し出されれば割れんばかりの拍手、喝采。
……ははぁん。
なるほど。
膝を折り、頭を垂れて
「畏まりました、王子様。
この命、必ずや私めが」
――――酷い笑い顔を隠すのに、心底苦労した。
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はじめまして。
いとしのはぐるま姫様へ、この手紙をささげます。
ぼくはユースチス・アーサー・ホーキンスといいます。今年で10になりました。
ゆうかんなあなたの冒険はぜんぶ読んで、きれいにとじて、何度でも読み返しています。
はぐるま姫様がいらっしゃると聞いたので、お父さまにおねがいして、はじめて幻想のダンスパーティーに連れていってもらったとき、
あなたの姿をこの目で見て、その美しさが心に焼きついたような気持ちになりました。
その時のぼくは勇気がなくて、言うことも会うこともできませんでしたが
パーティーのときに見たあなたのダンスや美しい声が、海へ帰ってからもずっと、心からはなれないのです。
ぼくがもっともっと大きくなって、船をあやつれるようになったら、
いつかあなたを、海をこえて、きらきら光る宝石でかざった、しんじゅ貝の船で迎えに行きます。
そうしたら、どうか、ぼくのお姫さまになってください。
あなたのことが大好きです。
どうかこのお手紙が、いとしいあなたにとどきますように。
ユースチス・アーサー・ホーキンス