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梔色特別編纂室
……貴方、そんな風に思って……
(彼女の言葉を、海色の目を瞬かせて、聞く。その、鈴を振るような声を。)
(小さな、お姫様のお人形、ではなく)
(小さな、お人形のお姫様。)
(その嘘を信じたかったのは、私の方だった。)
……ふふ。
(聞き終えた頃には、笑みは、自然と、零れていた。)
ねぇ。
貴方がちゃんと、「はぐるま姫」になれたのは、貴方自身の力よ。
貴方はいつだって、「はぐるま姫」に、なろうとしていたもの。
私は、それを、口にしただけ。
……言葉にしただけだわ。
(彼女の言葉を、海色の目を瞬かせて、聞く。その、鈴を振るような声を。)
(小さな、お姫様のお人形、ではなく)
(小さな、お人形のお姫様。)
(その嘘を信じたかったのは、私の方だった。)
……ふふ。
(聞き終えた頃には、笑みは、自然と、零れていた。)
ねぇ。
貴方がちゃんと、「はぐるま姫」になれたのは、貴方自身の力よ。
貴方はいつだって、「はぐるま姫」に、なろうとしていたもの。
私は、それを、口にしただけ。
……言葉にしただけだわ。
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来客の予定があったから、無警戒に扉を開けてしまった。
配達人の差し出す荷物、その宛名に顔を顰めて、
しかし。
受け取らないわけにも、いかなかった。
――――愛弟子、カタリヤ・9・梔へ
君の私物がまだ幾つか残っていたので、送らせて貰う。
僕の名をあちこちで使うのは構わないが
偶には顔を見せてくれないか。
家内も君を恋しがっている。
くれぐれも、無茶はしないように。
君の活躍を波の彼方より祈っている。
――――アキレウス・B・アーケロン
テーブルの上には解かれた荷物と開かれた手紙。
それを片付ける間も無く、二度目のベルが鳴った。