PandoraPartyProject

ギルドスレッド

スレッドの一部のみを抽出して表示しています。

梔色特別編纂室

【1:1】ちいさな姫と、古い写真と、猫の話

昼を少し回った時刻。
来客の予定があったから、無警戒に扉を開けてしまった。
配達人の差し出す荷物、その宛名に顔を顰めて、
しかし。
受け取らないわけにも、いかなかった。


――――愛弟子、カタリヤ・9・梔へ
君の私物がまだ幾つか残っていたので、送らせて貰う。

僕の名をあちこちで使うのは構わないが
偶には顔を見せてくれないか。
家内も君を恋しがっている。

くれぐれも、無茶はしないように。
君の活躍を波の彼方より祈っている。
――――アキレウス・B・アーケロン


テーブルの上には解かれた荷物と開かれた手紙。
それを片付ける間も無く、二度目のベルが鳴った。

→詳細検索
キーワード
キャラクターID
……矛先がひとつに定まったときの人間って、怖いわよ。
曖昧な情報もただの偶然も悪趣味な憶測もなにもかもをすべて結び付けて、まるで相手が悪魔みたいに見えるの。
猫という猫が狩り出されたわ。本当に、獣種でもない、ただの猫まで。

私は、たまたま島に来ていた学者先生に匿われたの。こっそり、船に乗せて貰って。
……それ以来、あの島には帰ってないわ。

船の中で私、先生に訊いたの。みんなどうしてしまったんだろう、って。
先生は言ったわ。誰かがきちんと正しいことを調べて、それを皆に教えられたら、こうはならなかった、って。
だからね。

正しいことなんて、本当のことなんて、何の力もないんだ、って。
だって私、私のせいじゃない、って、あんなに言ったのに。
だから、誰よりも早くウソをつけば……私はもう、殺されなくて済むでしょう?

キャラクターを選択してください。


PAGETOPPAGEBOTTOM