ギルドスレッド
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梔色特別編纂室
小さな島で、小さな村だった。
朝に誰かが何か言えば、夕方にはもう皆が知ってるような。
いいことも、悪いことも、皆で分かち合ってるんだと思ってた。
ちょっとした不幸が、重なり始めたの。
誰も知らないのに、壊れたものがあったり
誰も触らないのに、無くなったものがあったり
……誰かがやった、あいつが、って、てんでバラバラな名前を出し合うまでに、そう時間はかからなかった。
猫がやった、って、誰が言い始めたのか、わからない。
でも、皆その考えが気に入ったのよ。
猫が全部やった、って。
朝に誰かが何か言えば、夕方にはもう皆が知ってるような。
いいことも、悪いことも、皆で分かち合ってるんだと思ってた。
ちょっとした不幸が、重なり始めたの。
誰も知らないのに、壊れたものがあったり
誰も触らないのに、無くなったものがあったり
……誰かがやった、あいつが、って、てんでバラバラな名前を出し合うまでに、そう時間はかからなかった。
猫がやった、って、誰が言い始めたのか、わからない。
でも、皆その考えが気に入ったのよ。
猫が全部やった、って。
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来客の予定があったから、無警戒に扉を開けてしまった。
配達人の差し出す荷物、その宛名に顔を顰めて、
しかし。
受け取らないわけにも、いかなかった。
――――愛弟子、カタリヤ・9・梔へ
君の私物がまだ幾つか残っていたので、送らせて貰う。
僕の名をあちこちで使うのは構わないが
偶には顔を見せてくれないか。
家内も君を恋しがっている。
くれぐれも、無茶はしないように。
君の活躍を波の彼方より祈っている。
――――アキレウス・B・アーケロン
テーブルの上には解かれた荷物と開かれた手紙。
それを片付ける間も無く、二度目のベルが鳴った。