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梔色特別編纂室
ウソつきに。
……ウソつきは、良くないことなのに?
(物語を聞くのは、好きでした。だから、カタリヤの話に、お姫様もまっすぐ聞き入ります。)
(おじいさんが……まだ命を持たない人形に対しても、たくさん、語って聞かせてくれた)
(あの穏やかで優しい時間を、思い出すからなのでしょうね。)
ええ、ええ。海洋のお話は、少しだけ。
(カタリヤの仲間たちが、村を作り上げてゆく様は……)
(想像してみると、胸の歯車がきりきり踊り出すような、わくわくする光景でしたけど。)
(お話は、終わっておりません。視線が、続きを促しました。)
……ウソつきは、良くないことなのに?
(物語を聞くのは、好きでした。だから、カタリヤの話に、お姫様もまっすぐ聞き入ります。)
(おじいさんが……まだ命を持たない人形に対しても、たくさん、語って聞かせてくれた)
(あの穏やかで優しい時間を、思い出すからなのでしょうね。)
ええ、ええ。海洋のお話は、少しだけ。
(カタリヤの仲間たちが、村を作り上げてゆく様は……)
(想像してみると、胸の歯車がきりきり踊り出すような、わくわくする光景でしたけど。)
(お話は、終わっておりません。視線が、続きを促しました。)
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来客の予定があったから、無警戒に扉を開けてしまった。
配達人の差し出す荷物、その宛名に顔を顰めて、
しかし。
受け取らないわけにも、いかなかった。
――――愛弟子、カタリヤ・9・梔へ
君の私物がまだ幾つか残っていたので、送らせて貰う。
僕の名をあちこちで使うのは構わないが
偶には顔を見せてくれないか。
家内も君を恋しがっている。
くれぐれも、無茶はしないように。
君の活躍を波の彼方より祈っている。
――――アキレウス・B・アーケロン
テーブルの上には解かれた荷物と開かれた手紙。
それを片付ける間も無く、二度目のベルが鳴った。