ギルドスレッド
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梔色特別編纂室
(あちらこちらを行く、仮装、仮装に、あるいは普通のひと)
(けれどもけれど、ともすれば、あすこにおわす町人も、ほんとの姿は尻尾や翼の生えたものなのかもしれません。)
(……見渡す全てが、夢幻の如く!)
……ええ、ええ。
だから。もしかしたらわたし、本当は、ひげもじゃの王様なのかもしれないわ?
(熱心に声をかけてくる男性を笑顔でいなす少女の、よく通る、清らかな声)
(もっとも、男性の方も「ナンパな吟遊詩人」に振る舞いごと扮しているだけでしたから、このやりとり自体が収穫祭における一興、小さなお芝居のようなものなのですけれど。)
……ふふっ、ええ。
素敵な恋の歌を聞かせていただいて、わたしも満足よ?
(次いで、別れの歌と称した吟遊詩人の高らかな歌声が響きますから……通りに立つ二人は、多少なりとも、目立っていたことでしょう。)
(けれどもけれど、ともすれば、あすこにおわす町人も、ほんとの姿は尻尾や翼の生えたものなのかもしれません。)
(……見渡す全てが、夢幻の如く!)
……ええ、ええ。
だから。もしかしたらわたし、本当は、ひげもじゃの王様なのかもしれないわ?
(熱心に声をかけてくる男性を笑顔でいなす少女の、よく通る、清らかな声)
(もっとも、男性の方も「ナンパな吟遊詩人」に振る舞いごと扮しているだけでしたから、このやりとり自体が収穫祭における一興、小さなお芝居のようなものなのですけれど。)
……ふふっ、ええ。
素敵な恋の歌を聞かせていただいて、わたしも満足よ?
(次いで、別れの歌と称した吟遊詩人の高らかな歌声が響きますから……通りに立つ二人は、多少なりとも、目立っていたことでしょう。)
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「編集長、私は……」
「……んもうっ」
無音となった受話器を叩きつける。
――――扮装のひとつもしないと浮くだろう?
三角耳の奥に、冗談めかした軽い声が残響して。
通りにはカボチャのランタンが浮かび
有象無象、魑魅魍魎が笑い合い
猫は、カメラを片手に重い足取りで彷徨いだす。
ゆめまぼろしの夜が、始まった。