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梔色特別編纂室
ええ。……でも。でも、ベリナさんの人形たちが、彼女の死体を守っていたの。
知っているでしょう?
(ベリナにまつわる事件。その情報を掴んでいるならば、事のあらましもまた把握しているだろう、と判断しての言葉でした。)
(憂いを湛えながらも、時間を経れば、胸に靄は立ち込めども思考にかかる雲はありません。)
わたしも。おじいさんが死んでしまったこと、あとから「悲しい」って気づいたのよ。
……だから。残されたあの子たちのことを思ったら。
(他の誰かへの感情移入。これもまた、彼女の「成長」が為せるようになった情動でしょう。)
(……ただ。胸の歯車が軋むのは、そんな綺麗な感情のためばかりではありません。)
知っているでしょう?
(ベリナにまつわる事件。その情報を掴んでいるならば、事のあらましもまた把握しているだろう、と判断しての言葉でした。)
(憂いを湛えながらも、時間を経れば、胸に靄は立ち込めども思考にかかる雲はありません。)
わたしも。おじいさんが死んでしまったこと、あとから「悲しい」って気づいたのよ。
……だから。残されたあの子たちのことを思ったら。
(他の誰かへの感情移入。これもまた、彼女の「成長」が為せるようになった情動でしょう。)
(……ただ。胸の歯車が軋むのは、そんな綺麗な感情のためばかりではありません。)
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「信頼できる店」を押さえておくのも、記者には必須。
選んだのは上流階級の子女にも人気のレストラン、その奥の小部屋。
白が眩しいエプロン姿のメイドが下がってしまえば
テーブルの上のベルを鳴らすまで、誰もここには来ない。
午後の、お茶会の時間。
ティー・スタンドには小さなケーキやスコーンが並んで
紅茶もミルクも、香りづけのブランデーもたっぷり。
「わざわざお越しいただいて嬉しいわ、姫様。」
蜜色の猫が、三日月のように笑う。
「お話をしましょ、たくさん、ね?」