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梔色特別編纂室
ありがとう。楽しみにしているわ、カタリヤ。
(期待に胸を高鳴らせるかわりに、きりり、と歯車の音が鳴りました。)
ああ、けれど早速、次の「楽しみ」が待っているのね。
もちろん、お断りする理由なんてないわ。
劇の感想だって、まだまだ話し足りないのだもの。
(期待に胸を高鳴らせるかわりに、きりり、と歯車の音が鳴りました。)
ああ、けれど早速、次の「楽しみ」が待っているのね。
もちろん、お断りする理由なんてないわ。
劇の感想だって、まだまだ話し足りないのだもの。
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凝った彫刻が厳めしい陰影をつくる扉に、華やかに着飾った男女が吸い込まれていく。
掲げられたポスターの中、豪奢なドレスを纏い貴族に扮した女優が
夕闇忍びよる大通りに、挑発的な視線を投げかけていた。
――『パルマティア伯爵令嬢の猪口才な慕情』。
息吐くように男心を弄ぶ、小狡い女が囚われたるは恋の迷路――
蜜色の猫もまた、黒い夜会服に身を包み
劇場通りに足を踏み入れた。