PandoraPartyProject

ギルドスレッド

スレッドの一部のみを抽出して表示しています。

梔色特別編纂室

【1:1】ちいさな姫と、女ごころの話

大劇場の前は人や馬車でごった返していた。
凝った彫刻が厳めしい陰影をつくる扉に、華やかに着飾った男女が吸い込まれていく。
掲げられたポスターの中、豪奢なドレスを纏い貴族に扮した女優が
夕闇忍びよる大通りに、挑発的な視線を投げかけていた。

――『パルマティア伯爵令嬢の猪口才な慕情』。
息吐くように男心を弄ぶ、小狡い女が囚われたるは恋の迷路――

蜜色の猫もまた、黒い夜会服に身を包み
劇場通りに足を踏み入れた。

→詳細検索
キーワード
キャラクターID
――わたし、慣れない場所で、人に酔ってしまったみたい。
ひとりで歩くのは、とても心細いわ。
肌寒い人混みの中で、わたしには、寄り添ってくれる暖かな陽だまりが必要なの。

――ねえ、お願い。
その腕を今しばらく、わたしの陽だまりにしてくださらない?

(小さな姫君の言葉が、先ほどの劇中の台詞を真似ていると察するのは容易でしょう)
(だからなのでしょうか。はぐるま姫の言葉は、平素のそれよりずいぶん違っています)
(上目遣い。いつものそれと比較して、幾分も自然な微笑み)
(そして紡がれた言の葉の後半に宿る、わずかに甘ったるい、抑揚。)
(「ねえ、お願い」とは、さてはて、だれを真似たのでしょうね。)
(お姫様はさっそく、自分の知る複数人の「魅力的な女性」の仕草をなぞって、「心を掴む」振る舞いを試みているようでした。)

キャラクターを選択してください。


PAGETOPPAGEBOTTOM