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梔色特別編纂室
(演劇が終わる頃、皆を真似て、お姫様は小さな拍手を送っておりました)
(やがて割れるような音の収まった頃、隣のカタリヤを見やって、目を合わせ。)
すごかったわね、カタリヤ。
わたし、見ていてとても楽しかったわ。
あのお姫様、ううん、お嬢様と言った方がいいのかしら。
数え切れないぐらい、何度もなんども、いろんな表情をしていたわ。
わたしにでも、その表情に宿る感情が、はっきり伝わってくるぐらい。
(きりきり、きりきり。言葉の合間に、しきりに歯車の音が鳴っております)
(言葉に抑揚こそなけれど、どうやら初めての劇を目にして、彼女なりに高揚を覚えているようでした。)
(やがて割れるような音の収まった頃、隣のカタリヤを見やって、目を合わせ。)
すごかったわね、カタリヤ。
わたし、見ていてとても楽しかったわ。
あのお姫様、ううん、お嬢様と言った方がいいのかしら。
数え切れないぐらい、何度もなんども、いろんな表情をしていたわ。
わたしにでも、その表情に宿る感情が、はっきり伝わってくるぐらい。
(きりきり、きりきり。言葉の合間に、しきりに歯車の音が鳴っております)
(言葉に抑揚こそなけれど、どうやら初めての劇を目にして、彼女なりに高揚を覚えているようでした。)
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凝った彫刻が厳めしい陰影をつくる扉に、華やかに着飾った男女が吸い込まれていく。
掲げられたポスターの中、豪奢なドレスを纏い貴族に扮した女優が
夕闇忍びよる大通りに、挑発的な視線を投げかけていた。
――『パルマティア伯爵令嬢の猪口才な慕情』。
息吐くように男心を弄ぶ、小狡い女が囚われたるは恋の迷路――
蜜色の猫もまた、黒い夜会服に身を包み
劇場通りに足を踏み入れた。