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梔色特別編纂室

【1:1】ちいさな姫と、女ごころの話

大劇場の前は人や馬車でごった返していた。
凝った彫刻が厳めしい陰影をつくる扉に、華やかに着飾った男女が吸い込まれていく。
掲げられたポスターの中、豪奢なドレスを纏い貴族に扮した女優が
夕闇忍びよる大通りに、挑発的な視線を投げかけていた。

――『パルマティア伯爵令嬢の猪口才な慕情』。
息吐くように男心を弄ぶ、小狡い女が囚われたるは恋の迷路――

蜜色の猫もまた、黒い夜会服に身を包み
劇場通りに足を踏み入れた。

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(演目『パルマティア伯爵令嬢の猪口才な慕情』は、俗に言う喜劇でございます。)

(パルマティア伯爵には、美しい三人の娘がおりました)
(中でもひときわ蠱惑的な魅力に長じていたのが、三女アンナヴァニア)
(男性の心を手玉に取り、恋を遊ぶのが彼女の人生における最大の楽しみでありました。)
(焦がれ焦がれて、枕を涙で濡らした男性は数知れず……無論、彼女の評判は知れ渡っているのですが)
(それでも「もしかしたら」なあんて思ってしまうのが男の性なのでしょうね。)

(ところがそんなアンナヴァニアがいかなる策を弄しても落とせぬ男が、一人だけ)
(リマ家の下男、フェルナンドー。朴訥を絵に描いたようなこの人物は、アンナヴァニアがいかに言葉を尽くし、思わせぶりな態度を取り、色仕掛けを試みたってちいとも動じません)
(アンナヴァニアは、意地でもこのフェルナンドーに恋をさせてやろうと躍起になってゆくのでした……)

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