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梔色特別編纂室

【1:1】ちいさな姫と、物言わぬものたちの話

宿屋街の一角。
ぽっかりと開けた小さな広場では、古びたガーゴイル像があたりを睥睨していた。

今はその隣に、蜜色の女がひとり。
苦虫を噛み潰したような顔をしている。

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カタリヤのしていることは、いいことではないの。
(コテリと首を傾いで、きりきり、少しだけ考えたのですけれど)

たしかに、お姫様は、悪いことをするべきではないと思うけれど。
きっとカタリヤにも、それをしなくてはいけない、理由があるのでしょう。
わたしはやっぱり、わたしの「仲間」の助けになってあげたいわ。
(今の彼女にとって優先すべきは善悪よりも、いま、縁を紡いでる誰かの力になってあげることなのでした。)
わたしだって「旅人」だから、それなりの力はあるはずだわ。
できることがあったら、なんでも言ってちょうだい。

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