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梔色特別編纂室

【1:1】ちいさな姫と、物言わぬものたちの話

宿屋街の一角。
ぽっかりと開けた小さな広場では、古びたガーゴイル像があたりを睥睨していた。

今はその隣に、蜜色の女がひとり。
苦虫を噛み潰したような顔をしている。

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そうね。
わたし、眠っているあいだの夢というのだって、見られたことがないもの。
みんなの生き方は、わたしにとって、羨ましいことだらけよ。
(カタリヤの問いかけに対しては、きりきり音を鳴らして、少しの黙考。)
わたし、どこかへ行こうと思っていたわけでもないもの。
お手伝いができるなら、カタリヤの力になりたいわ。

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