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梔色特別編纂室

【1:1】ちいさな姫と、物言わぬものたちの話

宿屋街の一角。
ぽっかりと開けた小さな広場では、古びたガーゴイル像があたりを睥睨していた。

今はその隣に、蜜色の女がひとり。
苦虫を噛み潰したような顔をしている。

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(階段を降りた先の廊下で、足を止めた。広場に面した窓の向こうで、ガーゴイルがこちらを睨み付けている)
責務、ね。それじゃ、貴方の夢ってその先にあるのかしら。
……姫が何かを羨ましいって言うなんて、ちょっと意外ね。

さて、と。
私はもう少しこの宿に張り込むつもりなのだけれど、姫様はどうなさるの?

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