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梔色特別編纂室

【1:1】ちいさな姫と、物言わぬものたちの話

宿屋街の一角。
ぽっかりと開けた小さな広場では、古びたガーゴイル像があたりを睥睨していた。

今はその隣に、蜜色の女がひとり。
苦虫を噛み潰したような顔をしている。

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(騎士。突拍子もない言葉に、くすりと)
そんな高潔なものじゃないわよ。
私は記者。秘密を暴くだけ。
その後罪人をどうするかは……それこそ、「正義の騎士様」たちが考えることだわ。

死者が怖い理由……ね。
さっき、言っていたでしょう。毒を飲んだらとっても苦しいって。
(死者の薄紫のような顔色は更にくすんで、灰色のようになりはじめていた。)
貴方が、毒を飲まされて。
こんな風に苦しんで、いのちを奪われてしまうとしたら……とっても、嫌なことじゃない?
そんな風になりたくない、って思うのが、怖いってこと……かしらね。

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