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梔色特別編纂室

【1:1】ちいさな姫と、物言わぬものたちの話

宿屋街の一角。
ぽっかりと開けた小さな広場では、古びたガーゴイル像があたりを睥睨していた。

今はその隣に、蜜色の女がひとり。
苦虫を噛み潰したような顔をしている。

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作られたところからが、お人形としての生、ってことね。
……それはそれで、少し安心したわ。
(握り締めた指の間に、きらりと光るものが見えた)

苦しんで死ぬのはかわいそう、って思った?
(歪んだ死に顔にちら、と目を走らせて)
このヒトのゆく先……地獄じゃないかしらね。
地獄に堕ちたものはこんな顔をしているって言うから。
(ひやりとつめたい肉を押し開けて、つまみ出そうとする)

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