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梔色特別編纂室

【1:1】ちいさな姫と、物言わぬものたちの話

宿屋街の一角。
ぽっかりと開けた小さな広場では、古びたガーゴイル像があたりを睥睨していた。

今はその隣に、蜜色の女がひとり。
苦虫を噛み潰したような顔をしている。

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(場違いに穏やかな幼い声に、思わず振り向いて)
……。
(頬笑むお人形に向ける目には、幽かな怯えすら滲んでいる)
(――――現場には、現場に相応しい緊張感があるのだ。それをこの声と微笑みは、容易に揺り戻す)

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