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梔色特別編纂室

【1:1】ちいさな姫と、物言わぬものたちの話

宿屋街の一角。
ぽっかりと開けた小さな広場では、古びたガーゴイル像があたりを睥睨していた。

今はその隣に、蜜色の女がひとり。
苦虫を噛み潰したような顔をしている。

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ええ、さっき、あっちの方のお店でココアをいただいたものだから。
ついでに、あまり来た事のなかった方まで、お散歩に来てみたのよ。
やっぱり、自分の足と目で、たくさんのところを歩いて、見なければいけないもの。
(微笑み直す代わりに、お姫様は、小さく首を傾けてみせました。)
そういうカタリヤは、どうしたの。
なんだか、いつもとは違ったお顔をしていたみたい。

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