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梔色特別編纂室

【1:1】ちいさな姫と、物言わぬものたちの話

宿屋街の一角。
ぽっかりと開けた小さな広場では、古びたガーゴイル像があたりを睥睨していた。

今はその隣に、蜜色の女がひとり。
苦虫を噛み潰したような顔をしている。

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(昼下がりというのは、みんな、おやつを食べたくなる時間なのだとか)
(どこで知識を仕入れたか、ともあれ、お姫様は定石どおりにココアをいただいて、お店から出ていったところでした。)
(小さな歩幅で、広場を横切ってゆこうとして)

あら。
ごきげんよう、カタリヤ。

(見上げた先に知った顔を見かけたので、いつものぎこちない所作で、挨拶をしてみせたのです。)

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